自分に合うシューズとは?理学療法士が解説! ウォーキングシューズ選び完全ガイド 

豆知識

「なんとなく有名ブランドだから」「デザインが気に入ったから」――そんな理由だけでシューズを選んでいませんか?実は、足の形や歩き方、使う目的に合わないシューズを履き続けると、足の痛みだけでなく、膝・腰・姿勢のトラブルにつながることもあります。

シューズは、毎日の歩行や運動を支える“身体の土台”。だからこそ、自分に合った一足を選ぶことがとても重要です。しかし、種類が多すぎて「何を基準に選べばいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、理学療法士の視点から、足の特徴・目的別・身体への影響を踏まえたシューズ選びのポイントをわかりやすく解説します。今回はウォーキングシューズに注目した内容ですが、基本的なシューズ選びの考え方はどのシューズであったとしても変わりません。あなたにぴったりの一足を見つけるための完全ガイドです。失敗しないシューズ選びを、今日から始めましょう。

ウォーキングシューズの特徴

サッカーシューズ、バスケットボールシューズ、テニスシューズ…色んなスポーツシューズがあり、それぞれ競技に合わせた特徴があります。例えばサッカーであればボールをけりやすくするためのアッパー素材が選ばれていたり、バスケットボールシューズは体育館で滑りにくくするアウトソールの工夫がなされています。ではウォーキングシューズはどうでしょうか。

他の競技と違い、誰でも毎日行っている「歩く」動作。それに特化したシューズってどんなシューズなんでしょうか?ちょっと想像しにくいですよね。

簡単にいえば疲れにくく、長く歩く為に工夫されたシューズがウォーキングシューズです。疲れにくい歩行=効率の良い歩行と言い換えることが出来ます。効率の良い歩行をサポートする役割をウォーキングシューズが担っているわけです。

効率の良い歩行とは?

効率の良い歩行とは、少ないエネルギーで、身体に負担をかけず、スムーズに前へ進める歩き方のことです。速く歩くことだけが効率的とは限らず、「疲れにくい」「痛めにくい」「長く歩ける」ことが重要です。もう少し効率の良い歩行を分析してみます。

ロッカー機能(ロッカーファンクション)

ロッカーファンクションとは、歩行中に足部を“てこのように転がしながら”重心を前へ進める仕組みです。歩くときに足がスムーズに体を前へ運ぶための重要な機能で、効率の良い歩行に欠かせません。

ロッカーファンクションは3つに分けられます

  • ヒールロッカー:かかとを支点にして足裏へ体重を移す動き。歩き始めのブレーキと衝撃吸収を担当します。
  • アンクルロッカー:足首を支点にして脛(すね)が前へ進む動き。歩行中盤の前進力を作ります。
  • フォアフットロッカー:前足部(つま先の付け根)を支点にして蹴り出す動き。歩行終盤の蹴り出しを担当します。

簡単にいうと

  1. 踵で着地する
  2. 足首の上を体が通過する
  3. つま先で蹴り出す

この1~3の流れを滑らかにするのがロッカーファンクションの役割です。この機能が低下すると

  • 疲れやすい
  • 膝や腰に負担が増える
  • つまずきやすい

といった症状につながります。

効率の良い歩行をするために、ロッカーファンクションが滑らかである事の大切さは何となく理解いただけたでしょうか?そのためにシューズ選びが大切になってきます。

今履いているシューズは大丈夫?

とりあえず現状を知ることが重要です。靴擦れや圧迫されて痛みがあるなど症状が無い場合は、緊急で対応する必要がないため、仮に自分に合っていないシューズでもそのままになってしまうことが多いと思います。まずは現在使用しているウォーキングシューズが本当に自分に合っているのかを確かめてみましょう。

インソールについている「足跡」

それなりに履きこんでいるシューズであればインソールに足跡がついているはずです。親指の跡の位置を確認してみてください。先端から1㎝~1.5㎝程度のところに跡が収まっていれば合格です。前すぎの場合、シューズが大きすぎて前にずれているかシューズが小さすぎる場合があります。後ろすぎる場合はシューズが大きすぎます。

踵にゴミ(ほこり)溜まってませんか?

  • サイズが大きい
  • 踵フィット不足
  • 紐の締め不足

これらの原因により足がずれることでゴミが溜まります。

踵はヒール部分に収まって固定されていることが理想なんですが、それが前にずれているということになります。

靴紐余り過ぎていませんか?

長い靴紐を独特な縛り方で「カッコいい」と思って履いていたことはありませんか?紐の長さはメーカー仕様でも変わりますが、実はあれも靴のサイズが大きすぎる可能性があります。

後述する「足長」や「足囲」をしっかりと測定して、サイズが合っていれば極端に靴紐が余り過ぎることは無いはずです。

足のサイズを測る

足のサイズの測り方は、自宅でも簡単にできます。足長(かかと〜つま先)と足囲(足幅まわり)を測ると、シューズ選びがしやすくなります。

用意するもの

  • ペン
  • 定規(メジャー)

1. 足長を測る

  1. 紙を壁につけて床に置く
  2. かかとを壁につけて紙の上に立つ
  3. 一番長いつま先の位置に印をつける
  4. 壁から印までの長さを測る

2. 足幅を測る

  1. 足長の測定と同様に紙の上に立つ
  2. 親指の付け根と小指の付け根の骨が出っ張った部分に印をつける
  3. 2点の水平距離を測る

3.足囲を測る

親指の付け根から小指の付け根をぐるっと一周、メジャーで測る。

4. 両足測る

左右でサイズ差がある人も多いため、必ず両足測定しましょう。
大きい方の足に合わせて選ぶのが基本です。

5.夕方に測る

時間帯で足の大きさが変化します。夕方は朝よりも浮腫んでいる場合が多いです。できるだけ夕方に測ることをお勧めします。

実際のシューズの選び方

自分の足のサイズを測定したら、いよいよシューズのサイズを決めていきます。

シューズサイズを決める

測定した足長・足幅・足囲をもとにサイズ表で自分のシューズのサイズの目安を決めます。JIS規格のサイズ表は男性、女性で分かれています。手順は次の通りです。

  • 測定した足長を元に縦軸の位置を決める。(ぴったりの数値が無い場合は近い数字)
  • 足囲、足幅を元に横軸のワイズ(A~G)を決める。(ぴったりの数値が無い場合は近い数字)大抵はD~EEE程度で収まるはずです。

実際に履いてみる

サイズ表で自分のシューズサイズがわかったら、店舗に行って実際に履いてみましょう。やはり実際に履いてみないことには始まりません。シューズの履き方にはポイントがあります。

  • 踵を収める:シューズを履いたら踵をトントンしてしっかりと靴の一番後ろに踵が収まるようにしてください
  • 靴紐をしっかり結ぶ:まずは紐をほどいて履きます。踵を収めるようにシューズを履いたら、その状態でしっかりと紐を結んで足が前方にずれないようにします

簡単チェック

シューズが履けたらできる限りうろうろと店内を歩き回ってください。遠慮はいりません。自分に合ったシューズ選びには必須の行動です。その際に

  • 踵のフィット感は適切か(踵がシューズから抜けてないか)
  • 前足部の圧迫感や締め付けが強くないか

以上の点を中心にチェックをしてみましょう。合わないなと感じたらサイズが近いものから順に試していきます。

※「基準サイズを中心に前後0.5cmずつ試す」事をおすすめします。初めに大きいサイズを選ぶと「ゆったりしてて良い」と錯覚してしまいやすいので、注意が必要です。

靴の踵を押してみる、全体を曲げてみる

これはあまり馴染みが無いと思います。選んだシューズを手で曲げたり捻ったりしてましょう。柔らかい、硬い、曲がり方など特徴がわかるはずです。

踵を押す

踵を押して簡単に形が変わらない方が良いです。踵を押して上から見たときに靴が笑っていたら柔らかすぎです。柔らかい靴は安定感がなく、また踵をホールドしてくれる安心感がありません。

全体を曲げる

足は関節がある場所しか曲がりません。シューズも同様で、歩行するときの指の曲がりに合わせて曲がってくれることが理想です。具体的にはMP関節部分(指の付け根の関節)は曲がってほしい部分ですが、それ以外は逆に曲がらない方が良いです。

まとめ 自分に合う一足が、歩きやすさと健康を変える

ウォーキングシューズは、ただ歩くための靴ではありません。
毎日の移動、運動習慣、姿勢、膝や腰への負担まで左右する“身体の土台”です。

有名ブランドや見た目だけで選ぶのではなく、

  • 自分の足長・足幅・足囲を知る
  • かかとがしっかり収まるか確認する
  • 前足部に圧迫感がないか確認する
  • 歩いて違和感がないか試す
  • 靴の硬さや曲がる位置を見る

このポイントを押さえるだけで、シューズ選びの失敗は大きく減らせます。

特に40代以降は、筋力や柔軟性の変化により「なんとなく合わない靴」が膝痛・腰痛・疲労感につながりやすくなります。だからこそ、今の自分の身体に合った一足を選ぶことが大切です。

もし今履いている靴で、

  • すぐ疲れる
  • 足裏が痛い
  • 膝や腰がだるい
  • 靴擦れしやすい

このような悩みがあるなら、シューズを見直すタイミングかもしれません。

あなたに合う一足は、歩く人生そのものを変えてくれます。
ぜひ今日から、正しいシューズ選びを始めてみてください。

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