はじめに:なぜスクワットが「老化対策」に効くのか
年齢を重ねると、誰しもが感じる「体の衰え」。その原因の多くは、実は下半身の筋肉量の減少にあります。
筋肉が落ちることで、代謝が下がり、姿勢が崩れ、疲れやすくなる——。まさに「老化のサイン」です。
そんな中で、全身のアンチエイジングに最も効果的とされる運動が「スクワット」。
一見シンプルな動きですが、科学的にも「キング・オブ・エクササイズ」と呼ばれるほどの万能トレーニングです。
スクワットは姿勢・バランス・代謝を同時に整える優れた運動。
この記事では、「スクワットの効果」「正しいフォーム」「アンチエイジングとの関係」を詳しく解説します。理学療法士という仕事柄、特に正しいフォームについては少し深掘りしますのでややマニアックな内容となりますがご了承ください笑
スクワットの主な効果3選
① 下半身の筋力アップ
スクワットでは主に、大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋という大きな筋肉が働きます。
これらの筋肉は日常生活の「立つ・歩く・階段を上る」といった動作の要。
つまり、スクワットを続けることで「動ける体」を維持できるのです。
さらに、これらの筋群は全身の筋肉の約60〜70%を占めるため、鍛えることで全身の代謝が上がるのも大きな利点です。お腹の脂肪を落としたいなら腹筋ではなくスクワットです!
② 基礎代謝を高め、脂肪燃焼を促進
筋肉量が増えると、安静時にも消費するエネルギー量=基礎代謝がアップします。
基礎代謝が上がることで、太りにくく痩せやすい体へ。
ある研究では、筋トレによって1日あたりのエネルギー消費量が約10%増加したと報告されています。
特に下半身を鍛えるスクワットは、効率よく代謝を上げる最適な方法といえるでしょう。お腹の脂肪を落としたいなら腹筋ではなくスクワットです(2回目)
③ ホルモン分泌を促進し、若さを保つ
スクワットなどの筋力トレーニングを行うと、成長ホルモンやテストステロンの分泌が増加します。
これらのホルモンは、筋肉・骨・肌・脳にまで影響を与える「若返りホルモン」。
研究でも、下半身を使う運動は全身のホルモン反応を高めることが確認されています。
まさにスクワットは、内側から若さを引き出すアンチエイジング運動なのです。
スクワットとアンチエイジングの関係
では、スクワットがなぜ「アンチエイジング」に効くのでしょうか。
理学療法士の視点から、身体的・生理的な側面でその理由を解説します。
① 成長ホルモンの増加で「細胞レベルの若返り」
スクワットで分泌が促される成長ホルモンは、細胞の修復・代謝促進に関わります。
これにより肌のハリやツヤの改善、疲労回復の促進が期待できます。
「トレーニング=美容」と言われるゆえんです。
② 血流・リンパの改善で「むくみ・冷え」を予防
下半身の筋肉が動くと、筋ポンプ作用により血液やリンパの流れが促進されます。
その結果、冷え・むくみ・老廃物の滞留を防ぎ、代謝を高めます。
体の内側からのデトックス効果も、アンチエイジングに欠かせません。
③ 姿勢改善で「見た目年齢」を若く
スクワットは体幹や背筋の安定にもつながります。
姿勢が整うと、立ち姿が美しくなり、呼吸も深くなる。
「姿勢の若さ=見た目の若さ」と言われるほど、姿勢は印象を左右します。
正しいスクワットフォームの基本
スクワットの効果を最大限に引き出すには、正しいフォームが何より大切です。
誤った姿勢で行うと、膝や腰を痛める原因になります。
以下が、理学療法士が推奨する基本フォームです。
✅ スクワットの基本フォーム
- 足は肩幅より少し広めに開く
- つま先はやや外向き(約15〜30度)
- 背筋をまっすぐに伸ばし、胸を張る
- お尻を後ろに引くようにしてゆっくり下げる
- 太ももが床と平行になるくらいで止め、ゆっくり戻す
- 膝はつま先より前に出ないように意識する
スクワットの正しいフォームを調べると大体上記のフォームが推奨されていると思います。確かに正しいです。ただ、はたしてこのフォームは万人に当てはまるフォームなのでしょうか?リハビリの現場では身体のどこかに痛みを抱えていたり、通常よりも関節の可動域(動く範囲)が制限されていたりする患者様を多くみかけます。正しいとされているフォームが実は身体に負担をかけている場合もあるんです。今回は臨床上で特に間違いが多い3.4.6の項目を、なぜそのフォームが良いのか、ダメなのかを徹底的に解説していきます。
背筋をまっすぐ、胸を張り、おしりを後ろに引くように
スクワットを正しく実施する上で、脊柱(背骨)を正しい位置に保つことが必要となります。脊柱の後弯、いわゆる猫背は×ということになります。後弯が強い状態でスクワットをすると腰痛の原因となってしまうので注意してください。逆に反りすぎ(前弯)ても×です。ニュートラル(中間位)が理想です。
背筋は伸ばして地面と垂直という勘違い
よくこんな間違った理解をされている方がいます。脊柱が中間位に保持されていれば、地面と垂直になる必要はありません。というより、地面と垂直のままでは正しいフォームでスクワットをすることは不可能です。脊柱は中間位のままで股関節から体を前傾させましょう。学生時代に体育の授業でビシッとしたお辞儀をしたことを思い出しましょう。(昭和ですね)
おしりを後ろに引くようにとは?
イメージはイスに座るように腰を落としていきます。前述のように股関節から体を前傾させましょう。
どれくらい前傾させるの?
個人的にはここがスクワットの1番のポイントだと思っています。なぜならどのくらい体を前傾させるかによって、刺激が入る筋肉に違いが生まれるからです。スクワットで鍛えられる筋肉は身体の前面にある大腿四頭筋(太もも前面)と後面にあるハムストリングス(太もも後面)、大殿筋(おしり)の、前面と後面に大別されます。
前傾が弱ければ前面の筋肉、強ければ後面
上半身の質量中心はみぞおちの辺りに位置します。股関節、膝関節の中心とみぞおちからの距離によって働く筋肉が変化します。体幹の前傾量が多い場合は主に後面の筋肉、前傾量が少ないと前面の筋肉が良く働きます。
正しいスクワットのフォームの習得方法
スクワットのフォームの大切さはご理解いただけたと思います。色々なスクワットのバリエーションはありますが、すべては基本が備わっているからこそ効果が現れるものです。基本やフォームの理屈が理解できれば方法は後から何とでもなります。1つ1つの動作を丁寧に実施しましょう。ここでは正しいフォームの習得方法を紹介します。
①脊柱を中間位に保持する練習
まずは鏡で横向きの姿勢を確認するとよいでしょう。少しお腹を凹ませるように意識して立位姿勢を確認します。その状態をキープして軽く30度程度お辞儀をしてみます。これを繰り返して姿勢を覚えます。
②椅子からの立ち上がり→着座
①の意識をしつつ実際に椅子から立ち上がったり、座ったりを繰り返してみます。大体のイスは座面が40㎝程度になっていると思いますが、立ち上がりがしにくい方は座布団等で少し座面を高くした状態からスタートするよ良いと思います。慣れてきたら、おしりが座面に少し触れたら立ち上がるというようにしていくとスクワットの動作に近づいていきます。
③股関節を触りながらスクワット
スクワットを実施すると、どうしても膝を曲げたくなると思います。「いやいや、膝は曲がるでしょ」と思いますよね。そうです。曲がります。ただ曲げるのではなく勝手に曲がるんです。意識は膝ではなく股関節に向けて欲しいと思います。実際に股関節を曲げることを意識し、おしりを後ろに引くようにすると…どうですか?膝は意識してなくても曲がりませんか?
④体幹の前傾度合を変化させながらスクワット
スクワットを体幹の前傾度合を変化させながら実施していきます。前傾度合によって筋肉への刺激の違いがあることを感じとることができれば一人前です。これができれば例えば片脚のスクワット、ジャンプスクワットなど運動強度が上がるようなバリエーションのスクワットでもけがのリスクを防ぐことができます。
継続のコツと注意点
スクワットは「1日10回から」でOK。大切なのは継続と正しいフォームです。
- 鏡を見ながらフォームチェック
- 回数よりも「質」を重視
- 筋肉痛は超回復のサイン。無理せず2〜3日休養を
- 膝や腰に痛みを感じたら中止し、専門家(理学療法士など)に相談を
💡 ポイント:
継続のコツは「習慣化」。朝の歯磨き前や入浴後など、決まったタイミングに行うと続きやすくなります。
まとめ:スクワットで「動ける若さ」を取り戻そう
スクワットは、単なる筋トレではありません。
それは、全身の機能を維持し、若さを支える最もシンプルなアンチエイジング法です。
- 下半身の筋力アップで、日常動作が軽やかに
- 代謝とホルモン分泌を高め、内側から若返る
- 姿勢を整え、見た目年齢もアップ
理学療法士として断言できるのは、
「正しいフォームでのスクワットは、最高の投資」です。
1日10回からでも構いません。
未来の自分のために、今日から動き出しましょう。


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