40代から感じる「体の変化」、見て見ぬふりしていませんか?
40代に入ってから
「昔より太りやすくなった」
「疲れが抜けない」
「腰や肩が痛いのが当たり前になった」
そんな変化を感じていませんか?
これらはすべて、加齢による筋肉量の低下と身体機能の衰えが大きく関係しています。
そして重要なのは、この変化は自然に元に戻ることはないということです。
40代は、体力の「下降線」に入る最初の年代。
しかし見方を変えれば、正しい筋トレを始めることで、最も効果を実感しやすい年代でもあります。
本記事では、
- 40代から筋トレを始めるべき科学的理由
- 40代に最適な筋トレの考え方
- 本当に効果のある種目
を、身体を扱うプロの視点でわかりやすく解説します。
第1章|40代で起こる身体の変化と筋トレの重要性
筋肉量は40代から確実に減少する
筋肉量は30歳がピーク。30代後半から徐々に減少し、40歳からは年間約1%ずつ減少すると言われています。私も現在40歳。何もしなければどんどんと筋肉量が減少していく年齢です。正直ショックです。もう自分がそんな年代になったのかと。
当時活躍していたアスリート達は次々と現役を引退していき、気づけば監督になっている。身体の衰えに自分の心がついていけてないと感じる方も多いのではないでしょうか?
全身の筋肉の中で特に落ちやすいのが、
- 太もも
- お尻
- 背中
といった大筋群と呼ばれる筋肉です。筋肉の繊維は持久力系のタイプⅠ繊維(遅筋)と瞬発力系のタイプⅡ繊維(速筋)に大別され、大筋群はタイプⅡ繊維が多く分布しています。年齢とともに持久力よりも瞬発力が低下する1つの要因です。
筋肉が減ると、
- 基礎代謝が下がる
- 体脂肪が増えやすくなる
- 姿勢が崩れ、腰痛や肩こりが起こりやすくなる
といった悪循環に陥ります。
放置すると「不調が普通」になる
40代は「まだ動ける」ため、衰えを自覚しにくい年代です。
しかし筋力低下を放置すると、50代・60代で
- 慢性的な痛み
- 見た目の老化
- 生活習慣病の発症
につながります。
**筋トレは、将来の不調を防ぐ“予防医療”**なのです。
第2章|40代から筋トレを始める5つの効果
① 基礎代謝が上がり、太りにくくなる
筋肉量が増えると、安静時でも消費されるエネルギー量(基礎代謝)が上がります。
40代の「食べてないのに太る」は、代謝低下が主因です。
筋トレは、リバウンドしにくい体を作る最短ルートです。
② 腰痛・肩こり・膝痛の予防改善
多くの慢性痛は「筋力不足」と「動きの偏り」が原因です。
筋トレで正しく筋肉を使えるようになると、関節への負担が減り、痛みの予防・改善につながります。理学療法士として現場に出ていると、多くの痛みを訴える患者様と出会います。いわゆる「マッサージ」を希望する患者様が多いですが、それだけでは痛みは治りません。一時的に改善してももとに戻ってしまいます。厳しいようですが、最終的には「自分で頑張るしかない」のです。
③ 血糖値・血圧など生活習慣病リスクの低下
筋肉は「最大の糖消費器官」。
筋トレを行うことで、血糖値コントロールやインスリン感受性の改善が期待できます。通常インスリンが出ると血糖値が下がりますが、運動習慣が無い方は、すい臓から出たインスリンを感じ取る力が鈍くなってしまい、いくらインスリンが出ても血糖値が下がりにくくなってしまいます。
④ 見た目年齢が若返る
筋トレで姿勢が改善すると、
- 背中が丸まらない
- お腹が出にくくなる
- 歩き方が若々しくなる
といった変化が起こります。若くても姿勢が悪い人は老けてみられがちです。逆に年齢を重ねても背筋がスッと伸びている方は若々しくみえますよね。
⑤ メンタル・睡眠の質向上
筋トレはストレス耐性を高め、睡眠の質を改善することも分かっています。
40代の「なんとなく不調」にも大きな効果があります。
第3章|40代の筋トレは20代と同じやり方ではダメ
若い頃のように、
- 毎日追い込む
- とにかく重い重量を扱う
こうしたやり方は、40代ではケガのリスクが高すぎます。私自身、20代の頃はベンチプレスの重量を友達と競っており、ガシガシやっていましたが、今やったら絶対に肩を痛める自身があります。スポーツ選手やボディビル、フィジークなど競技レベルで実施する方々には必要となりますが、健康的な肉体を手に入れる目的であれば自宅トレーニング(宅トレ)で十分です。
回復力は確実に低下している
40代は筋肉・腱・関節の回復に時間がかかります。疲労を無視すると、腰痛や腱炎につながります。筋トレに加えて栄養や休養(睡眠)にも気を使う必要があります。
有酸素運動だけでは不十分
「健康のためにウォーキングだけ」では、筋肉量の減少は止められません。筋肉を増やす、減少を食い止めるためには「筋トレ」しかありません。
第4章|40代から始めるべき筋トレの3原則【最重要】
原則①:大筋群・多関節種目を優先
腕や腹筋だけでなく、
- 下半身
- 背中
- 胸
といった大きな筋肉を鍛えることで、効率よく全身に効果が出ます。
筆者は大筋群を効率よく鍛える方法としてPPL法を推奨しています。私自身のボディメイクも基本的にはこの方法を採用しています。
具体的なトレーニング方法はこちら→40代でもできるPPL法のやり方|効果・注意点まとめ理学療法士が徹底解説
原則②:頻度は週2〜3回で十分
初心者の方は毎日やる必要はありません。休息も大切にしましょう。ただアンチエイジングの効果を期待するのであれば1週間で90分以上の筋トレの時間を確保することをお勧めします。私の場合は1日15分しか時間が取れないので週6日実施していますが、連続して同じ部位をトレーニングすることが無いように工夫しています。1日15分!「短時間最大効果」ボディメイク開始!
継続できる頻度こそが最大の成果を生みます。効果が出る前に辞めてしまっては本当にもったいない。自身でも筋トレを日々実施する中で、継続することの大切さと難しさを感じます。筋トレの効果はすぐに表れることはありません。できるだけ効果的に、短期間で効果を得ようと工夫することは大切だと思いますが、それよりもいかに継続するかにフォーカスしましょう。仕事・子育てなどで忙しい40代は無理せずに「大人の筋トレ戦略」です。
原則③:筋トレのフォームを大切にする
重量や回数やset数は数字として表すことができるので、「今日は何㎏で何回できた!」というように達成感を感じやすい良い面があります。ただこれは気を付けないと自己満足で終わってしまう可能性があります。筋トレの目的は筋肉をつけること。対象としている筋肉に刺激は入っていないといくらやっても思ったように効果が出ないことも…けが予防の観点からも正しいフォームで実施することはとても重要です。
第5章|40代に本当におすすめな筋トレ種目7選
下半身(最重要)
- スクワット
大腿四頭筋、ハムストリングス、大殿筋、下半身の大筋群を一度に鍛えることができる誰もが知るキングオブエクササイズ!代謝・姿勢・老化予防の三拍子。理学療法士が解説|スクワットの効果と正しいフォームがアンチエイジングに効く理由
上半身
- プッシュアップ(腕立て伏せ)
→ 自重で十分効果的 - 懸垂・斜め懸垂
→ 猫背・肩こり予防
※すべて自宅・短時間・器具なしで実施可能です。
第6章|筋トレ効果を最大化する生活習慣(食事・睡眠)
タンパク質は足りているか?
40代は筋合成能力が低下するため、
体重×1.2〜1.6g/日を目安にタンパク質を摂取しましょう。タンパク質は筋肉だけでなく肌や髪などの成分です。毎日の食事内容を少しだけ見直しましょう。
プロテインは「補助」として活用
食事で足りない分を補うのが基本。
飲みすぎは体脂肪増加につながるため注意が必要です。プロテインについての記事はこちら→年齢・目的別!最適なプロテインの選び方と摂取タイミング
睡眠不足は筋トレ効果を半減させる
筋肉は寝ている間にも回復・成長します。睡眠時は成長ホルモンの分泌も活発となるので筋肉の合成がされやすいです。自分自身もなんとなくダラダラSNSをみて夜更かししてしまう日もありますが、できるだけ毎日同じ時間にベッドに入るように心がけています。
トレーニングと同等がそれ以上に「睡眠時間の確保」が重要です。
第7章|40代から筋トレを始める人のよくあるQ&A
Q:今から始めても遅くない?
A:全く遅くありません。40代は「最も伸び代が大きい年代」です。
Q:腰痛や膝痛があってもできる?
A:正しく行えば、むしろ改善につながります。
Q:どれくらいで効果が出る?
A:早い人で2〜4週間、見た目は2〜3か月が目安です。
まとめ|40代からの筋トレは人生100年時代の必須スキル
筋トレは、
- 老化防止
- 不調予防
- 見た目改善
すべてを同時に叶える、最もコスパの高い健康習慣です。
40代は遅すぎるどころか、始めるのに最適なタイミング。
まずは「できることを、続けること」から始めましょう。


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